on that occasion 叙情詩 矢倉緑地

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叙情詩

過去に書いた作品をいくつか掲載しています。

矢倉緑地

今度引っ越す時は
ベランダから堤防
見下ろせる小高い
マンションに住もうって
平日取れた休み
自転車で川沿いを
海に向かって走ろう

がんばってるはずだね
もう泣いていないよね
本当はそばで軽く
抱きしめてあげたいんだ
今更僕が言うのも
きっとおかしいけれど
まだ君が好きだから

あの頃より少しは
余裕ができたみたい
こんな風に時間を
過ごせるようになったよ
まぶた閉じれば浮かぶ
記憶は風に吹かれて
どのくらい乾いたかな

がんばってるはずだね
もう泣いていないよね
本当はそばで軽く
抱きしめてあげたいんだ
今更僕が言うのも
きっとおかしいけれど
まだ君が好きだから

一度っきりの人生
だから我慢しないし
自分が大事だから
誰かに頼りもしない
「あなたは冷たすぎるよ」
何度もそう言ってたね
僕の顔触りながら

水平線が見える
緑地で赤く染まる
空をずっと眺めて
後悔ばかりしてる
がんばってるはずだね
もう泣いていないよね
もう忘れてくれたよね